野球の世界一決定戦『WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)』。
歴代の開催地を調べてみると、第1回大会(2006年)から第5回大会(2023年)まで日本が開催国になっています。
他にも多くの国がWBCに参加しているにも関わらず、なぜ日本だけ何度も開催地となっているのか。
今回は、WBCが日本が開催されている理由について、メディアの情報を元に考察&まとめてみました。
WBCが日本で開催される理由について
結論から言うと、以下の3つの理由が考えられます。
- 整備された球場ドームがある
- WBCでの大会収益が高い
- 主催者WBCIの存在
開催地は『開催を希望する国』によって決定される
最初に、WBCの開催地は、開催を希望する国・地域が共同で開催することになっています。
そのため、
- 日本
- 台湾
- アメリカ
といった感じで国・地域が離れていても、共同開催国という形が取られています。
なので、日本がWBC開催地の希望をしているということが分かります。
ただ、だからといって日本が毎回開催地になる理由にはなりません。
しかし、WBCについて調べてみると、日本がWBCの開催地になる理由が見えてきました。
その一つ目は、野球のできる環境。
理由候補①:整備された球場ドームがある
まず、整備された球場ドームがあることです。
いやいや、WBC参加国なら球場ドーム持ってるんじゃないの?
と思う方もいるでしょう。
しかし、2023年WBCで日本と対戦したチェコ共和国の場合、屋根のある球場がないのだとか!
「僕ら、こんなに大きな球場で野球をやったことないんだ。屋根のある球場を見るのも初めてなんだよ」
興奮気味に語ったのはペテル・ジーマ内野手(33)だ。東京ドームを覆う格子状の白い天井――それは彼らにとって、まさに未知との遭遇だった。
出典元:Number Web
また、2023年WBC『POOL D』にいるイスラエルの場合、球場はあれど、
- 内外野ともに天然芝が広がっている
- 観客席らしいものが見当たらない
という状態。
航空写真で見ると、内外野ともに天然芝の広く美しい球場だ。
15000人収容と言われているが、観客席は見当たらず、芝生の上で観戦スタイルなのではないかと思われる。
これらの情報から、WBC参加国でも、日本やアメリカのように整備された球場ドームがあるという訳ではないことが分かります。
ですから、整備された球場ドームがあることは大前提だと考えます。
理由候補②:WBCの大会収益が高いから説
次に、WBCでの大会収益が高いため、開催地になっているという可能性です。
WBCでの日本の収益は高い
メディアの報道によれば、WBCによる日本の収益は高いことが分かります。
収益の詳細と判明しているのは、下記の通り。
- グッズ売り場に500メートル以上の長蛇の列ができる
- 1次ラウンドの計4試合分チケットはすでに完売
- 侍ジャパンに10社近くのスポンサーが付いている
- 日本が優勝した場合の経済効果は約596億円
これらの情報だけでも、WBCの影響でどれだけ大盛況になっているかが分かります。
ですから、多くの収益を得られることが分かっているため、日本側が開催地を希望しているということもあり得ます。
では、他の国でも開催国になれば、ここまで収益は高いのか?と言うと、絶対にそうなるわけではないのです。
他国もWBCの収益が高くなるとは限らない
第4回大会(2017年)では、韓国が開催国のひとつになりました。
しかし、収益は黒字どころか赤字になったのです。
その理由としては、以下の2つ。
- 代表チームが早々に敗退
- 広告スポンサーが集まらなかった
今大会は初めて1次リーグA組の主催権を勝ち取り、約5億円の運営費を投じたが、期待ほど広告スポンサーが集まらず。しかも韓国代表はいきなり2連敗し、敗退が決まった。
出典元:zakzak
5億円の運営費を投じ、赤字額は1億円以上。
グッズなどの売上なども低く、収入が予想より低かったといいます。
このように開催国になっても、早々に敗退してしまえば、赤字になる可能性があるのです。
一方で日本の場合は、過去のWBCの成績はかなり良いです。
開催年 | 日本の順位 |
第1回大会(2006年) | 優勝 |
第2回大会(2009年) | 優勝 |
第3回大会(2013年) | ベスト4 |
第4回大会(2017年) | ベスト4 |
最低でも、ベスト4。
そして、優勝を2回も経験している唯一の国なのです。
ですから、最低でも入賞できる実力があるからこそ、日本での収益は低くなることはない。
だからこそ、日本はWBC主催国の一つに毎回なれているのではないかと思います。
理由候補③:主催者WBCIの存在
主催者であるWBCI(MLBとMLB選手会が共同運営)の存在が大きいことも理由の一つとして考えられます。
報道によれば、WBCの儲けの大半は主催者・WBCIが得ているといいます。
侍ジャパンを運営するNPB(NPBエンタープライズ)はさぞ大喜びかと思いきや、広告代理店関係者は、「WBCの儲けの大半を主催者のWBCI(MLBとMLB選手会が共同運営)が得る構図は今もあまり変わっていない。NPBはそれを指をくわえてみているしかない」と言う。
出典元:日刊ゲンダイDIGITAL
そのため、
- チケット代
- スポンサー契約料
- 放映権料
- グッズの肖像権料
などで日本が多く利益を上げたとしても、実際に得られるお金はわずかしかないというのです。
では逆に、WBCの収益が赤字だった場合はどうなるのか?
この場合は、MLBが赤字分を負担することになっていたという話があります。
ただ、この情報は、主催者側が公式に発表したものではないため、本当かどうかは分かりません。
しかし、この情報が事実だったと仮定するなら。
主催者・WBCI側としては、収益が高い国が開催地になってくれないと困ることになります。
となると、
- 野球の環境が整っている
- WBC大会の収益に期待できる
などの条件をクリアしている日本を毎回開催地にしたいと思うのは普通のこと。
ですから、主催者・WBCI側から何かしらのアプローチがあり、結果的に日本が毎回WBCの開催国になっているということは十分考えられます。
WBCが日本で開催される理由まとめ
今回は、WBCが日本で開催される理由についてメディアの情報を元に考察&まとめてみました。
以下、今回の簡単なまとめになります。
- 基本的に開催地は、開催を希望する国・地域が共同で開催する
- 理由①:整備された球場ドームがあることが大前提と考える
- 理由②:WBCの大会収益が高いため、開催地を希望しているという説
- 理由③:主催者が利益の大半を得ているため、主催者が開催地に日本を推している説
日本が開催地になる経緯は公式で語られないため、詳細は不明。
ただ、他国と比べると日本でのWBC大会利益は高いと思われるので、大会利益の高さが何かしら関係している可能性は高いと考えます。
ちなみに、WBCの日本試合は基本的に午後7時開始ですが、その理由をご存知ですか?
詳細については以下の記事で情報をまとめた上でに考察していますので、良ければご覧ください。